2012年6月27日水曜日

SoC2012に参加してきた


2012623日(土),青山学院アスタジオにて開催されました,第3回SoC2012 (ソーシャルコンピューティングシンポジウム<主催:日本データベース学会>)に参加してきました。
東京に行ったのにまるっきりお知らせしていなくてごめんなさい。←ご友人の皆さま

さて,お洒落な表参道&お洒落な青学のスタジオで150人くらい(最大)の規模で行われたシンポジウムですが,興味深い発表が多くありました。

プログラム構成は以下のとおりです。
10時〜12時 特別企画(前半)「ソーシャルコンピューティングと社会,そしてビジネスチャンス」
13時〜15時 特別企画(後半)「SNSを科学する!」
15:15~16:45ソーシャルコンピューティング研究最前線(採録論文口頭発表)
16:50~18:00 ソーシャルコンピューティング研究最前線(採録論文ポスター発表)

ここ2年くらいバイオインフォーな日々を過ごしていたのですが,
久々に情報系のシンポジウムにお邪魔しました。
その際,大変興味深い発表が多くありました。
全体の印象としては震災関係のネタ(失礼,発表)が多かったです。
震災を通じてSNSの局面が見えてきたということでしょうか。

前半の企業の発表では,非常に企業の性質が出ていて,
タイプとしてはとにかくSNSを使って儲けを出すためには
どうすればいいのであろうか,と尽力しているタイプと,
社会貢献にも役立ちますよ,というタイプに分かれたと思います。
(こんなこと書いたら怒られそうだけど)
多くのトピックについて書いていると長くなるのでここでは割愛します。
恐らく去年の流れでいくとDBSJのウェブページに予稿集が掲載されるので(今は未掲載)
興味のある方はチェックしてみて下さい。もしニコ生を見ていた人がいたら,
富士ゼロックスの方にアニメ声で質問していたのは私です。
お客様共創といいながら,SNSのお客様の声を使わない矛盾点を
遠まわしに指摘しようと思ったのですが,伝わったかどうかは疑問です。
(もちろん医療系のDBの活用の仕方も伺いたかったのもあります)

後半の「SNSを科学する!」で興味深かったのは,
鳥海不二夫さんの“SNSとゲーム理論”でSNSの失敗と成功をゲーム理論に当てはめることでその必要条件を見出そうというものでした。
SNSで情報提供をすることを協調行動,提供しないことを裏切り行動とし,
この行動それぞれにかかるコストを他人vs自分で指標化し,
n人囚人のジレンマのゲーム理論に当てはめるものです。
結論としては,利得がコストを上回った時協調が支配的,
つまり,情報を提供する側が嬉しくなる支援をするSNSを作ることが重要という,
そりゃそうだという結論ではあるのですが,もう少し指標が何に当たるのか
ということを絞り込めれば,SNSの設計に使えるのではないか,
もしくは自分のサイトにSNSを取り入れる時の工夫に使えるのではないかと思いました。そこが難しいのだとは思いますが。
NTTの風間さんの社会ネットワークにおけるコミュニティの機能抽出のお話も
興味深かった(というか新しい理論を試した発表はこれくらい?)のですが,
専門的だったので,恐らく消化できていません。すみません。

企業と大学で共通していた話題として,デマ,の問題性がありました。
特に「SNSを科学する!」では,デマを拡散させないために何が出来るだろうか
ということに焦点をあてている発表がありました。
興味深かったのは,同じテーマを扱っているのにも関わらず,
手法や見方によって随分と結論が異なるということでした。
個人的には,情報を拡散するハブとなる人が重要だというモデルと,
山火事的に個々の力が大きくなくても情報が拡散するのだという
モデルが対立していることが特に面白かったです。


後半の採録論文の口頭発表ですが,既存の理論にSNSのネットワークを取り入れる
もしくは,テキスト解析にSNSを用いることで大量の情報を行うというものが
多かったです。特に今回はツイッターを使った解析が多く,
有用な情報かどうかの判別も難しかったようです。
Wikipediaを使った解析や,多くの人が共同作業することで
得られるクラウドソーシングの効率化といった発表もありました。

ポスターセッションにも興味はあったのですが,
Sagaceの相談事をしていた関係で突っ込んで見られませんでした。すみません。

後は雑然とした興味に基づく感想(主にツイッターに関して)です。
SNSの可能性として,局地的な情報を迅速に得られることや見ず知らずの人から
自分に関係するピンポイントの情報が得られることのようです。
そうした情報を解析することによって自分にとって本当に必要な情報を得ることも
出来そうです。IBMではモノの需要と供給の関係とツイートの傾向を
照らしあわせているようでした。
悪いところはデマの拡散で,これは情報理論的な手法を用いて
訂正ツイートを活用すれば,ある程度拡散は防げそうだということでした。
(社会ネットワークの概論と震災におけるSNSの効用 栗原聡さん)

収穫等
今回はSagaceや基盤研のRDF化に活かしたいと思って伺ったのですが,
某企業さんの発表を見て,ユーザーの意見をこちらの指針も固まらないうちに
取り入れるのは危険だということを悟りました。

自分のサイトにSNSを取り入れるなら,情報を提供する側がうれしくなる工夫をする必要があることを知りました。Sagaceにもアンケート欄がありますが,
答えることで利益が出るような工夫が無いと良くないことを悟りました。
長い目で見れば自分の意見が反映されて利益になるのかもしれないけれど,
悠長なことは言っていられないという感じです。
答えるのが楽しくなるアンケート,もしくは,
検索結果を人に広めることで利益を感じられるような工夫が良いのかなぁ
(ハードル高いか・・・要検討)

発表時にニコ生で中継するのは,かなり面白いことだということを知りました。
自分の専門外の発表について専門に詳しい人がいるとその場で会場にいなくても
質問や議論が出来ます。またその場での発表の印象の良し悪しが明確に出ます。

このように自分のまとめをブログにまとめることが自分の考えを整理するのに
有用だということが分かりました。
ここには書けないのですが,個人的に新たなネットワークが出来て,大変有益でした。

あと当然ながら,情報を解析するにはかなり多くのデータがある方が
有利だということを実感しました。
 で,お決まりの最後ですが,Sagace使ってみて下さい☆
皆さんの使い方をみて,どう改善するか考えています。
宣伝にご協力いただけると,とっても喜びます。
効果的な宣伝方法の情報もお待ちしています。


もちろん,この日記に関するご意見等も大募集です。

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